「狛犬(こまいぬ)」、「力士」、「金剛」――。見慣れぬ名前の将棋の駒、50種類192枚が19×16マスの盤面に並ぶ。古くから日本に伝わる「摩訶大将棋(まかおおしょうぎ)」だ。
かつては大将棋や中将棋など駒や盤面の大きさが違う将棋があった。大阪電気通信大学の高見友幸教授は10年ほど前から摩訶大将棋の復元に取り組むが、誕生の時期や経緯については謎が多い。勝敗のルールですら確たる記述が無く、残された書物の断片的な記述や遊戯としての面白さの部分も解釈しながら、試験対局を重ねてルールを導き出したのだという。
日本摩訶大将棋連盟も創設した高見教授。19人の会員と共に年に数回の勝ち抜き戦も開催する。藤井聡太八冠誕生で盛り上がる将棋界。一方で今年も別の「名人」タイトルを争う戦いが静かに繰り広げられている。(白井伸洋)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル